2012年3月28日水曜日

胃全摘出した人でもビタミンB12欠乏症が現れないこともあるのでしょうか?術後10...

胃全摘出した人でもビタミンB12欠乏症が現れないこともあるのでしょうか?術後10年ですが、ヘモグロビン値は11、0くらいでまだ正常値以内です。胃以外から吸収されることもあるのでしょうか?







現れない人も時々いるにはいるようですが、それを予測することはできません。

ビタミンB12欠乏症は貧血で発症するとは限らず、神経系の障害が初発症状になることもあります。

脊髄の障害で歩行や姿勢の保持に障害が出てしまう人や、脳の障害で認知症の症状が前面に出る人もあるといわれています。

このような神経系の症状は、いったん出現してしまうと、その後ビタミンB12を補充してもなかなか回復しないことが知られています。

このような症状が出た場合、患者さんもまさか胃全摘が原因と思わないので、手術した外科の先生のところにかかることはなく、内科/神経内科に受診されて、それと分ることの方が多いです。このような事情で、外科の先生方は意外とこのようなことにはお詳しくないケースが多い。



ということで、胃全摘後の人は必ずビタミンB12の補充を行なう方が絶対に安全です。副作用もまずありませんし。

月一回の筋注がクラシックな補充法ですが、最近では、経口での補充でも、十分に多量のビタミンB12(1000~2000μg/日)を使えば十分に補充できることが分ってきています。








胃から吸収するのでなく、胃が出す物質とビタミンが結合し、小腸から吸収するのであります。

案外、運良く胃が全摘ではなく少し残っているのか、吸収促進剤か何かを既に処方されているのかもしれません。

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